【不妊カウンセラー執筆】妊娠だけじゃない、不妊の本当の悩みと解決策

この記事の執筆専門家

コウノトリこころの相談室 池田麻里奈

「こんなに不妊がつらいとは想像していなかった」と言う人が多いように、不妊とは、「私たち夫婦に子供がいない」という家族の中の悩みだけではなく様々な対人や仕事に影響し、社会で居場所がなく生きづらいと感じるに至るまで悩み事は多岐に渡ります。

人生の先の先まで影響する命をつなぐことだから、自分の中に築かれた理想の家族像を子供ができないからすぐに「では他の人生、他の家族像」に書き換えることができません。また、どんなに努力しても妊娠しないのに対し、多くの人は自然と妊娠する現実があります。

自分だけがダメと落ち込み、能力がない、子孫を残せない不甲斐なさ、価値がないと自己肯定感の低下につながっていきます。

そんな時の周囲の環境は「子を産むこと」を当然と思う考えが根深く残り、子がいる家庭が普通で、それ以外のモデルは社会では認めない空気が少子高齢社会に突入してから益々感じるようになりました。

身近な人からの「赤ちゃんはまだ?」という問いかけは、とてもおめでたいことだし早く子供が誕生して欲しい願いも込められているため挨拶のようにかけられます。とても悩み事を相談したり、子のいない人生を想像できる環境ではまだまだないのです。

不妊治療は必要?

不妊検査は月経周期に合わせて行うため2〜3ヶ月の期間を要します。不妊を疑い通院しているうちにいつの間にか不妊治療のレールに乗ってしまっていたということがあります。検査が終われば不妊治療をしないという選択肢があることを忘れてはいけません。もっと言うと検査をしないという選択肢もありますね。

日本産科婦人科学会の調べによると2015年、体外受精で生まれた子は20人に1人。不妊治療は夢を叶えてくれる素晴らしいものでもありますが、成功ばかりではありません。

体外受精の出産成功は30歳で約21.5%、35歳で約18.4%、40歳では約9.1%です。この数値を受け止め、不妊治療そのものが必要かどうか始める前に話し合うことが大事です。

不妊治療のタイミング

不妊の定義は日本産婦人科学会では妊活をして1年妊娠しないこととしています。

ただ1年未満でも自己流の妊活に手詰まりを感じるなら専門医のサポートを考える時でしょう。結婚から何年、妊活から何年ということではなく自分たちのペースで考えて良いのですが、この時、妻の年齢は最重要ポイントになります。

同世代夫婦でよくあるケースですが、夫はまだ焦らなくて良いと言い、妻は妊娠のリミットを計算、夫婦間のずれが生じることがあります。妊娠率が下がると治療の選択肢が狭くなりますので、まずは知識を共通にするところから始めましょう。

不妊治療に夫婦で協力的に取り組む方法3選

思いもよらない不妊の状況を夫婦2人で協力し合い立ち向えるなら夫婦の絆は益々強くなりますよね。しかし不妊治療は夫婦で協力とは言うものの、病院で治療をするのは妻のみで、卵胞の成長を検査するためどうしても妻が主体になってしまいます。

気づくと妻だけが不妊治療の負担を抱える孤独のループに入りがちです。意識をして夫が介入していかなければすぐに妻はひとりで頑張りすぎてしまいます。ではどんなことが協力に当たるのでしょう。負担を同等に分けることが夫婦で協力的に取り組むことではありません。さらに不妊治療では妻しか治療しないためこれは不可能です。

なるべく夫婦が一緒にいる

妻がどんな表情をしているか、観察してください。そして話を聴いてください。ひとりで治療に向かう孤独を取り除いてください。これは世界中で夫にしかできない役割ですよ。

治療以外のことは夫婦で一緒にする

食事に気をつけたり、運動をしたり、妊活に良いものを積極的にトライしてみましょう。注射のせいで体がだるい妻にマッサージをするのも効果的。ポイントは妻に言われてするのではなく、自主的にすることです。

ひとりで頑張らない

相談者さんに、もう少し夫に頼っても良いと思うケースが見受けられます。気持ちはわかりますが、「夫は忙しいから」と諦めずに2人で足並みを揃えるきっかけを妻も作っていきましょう。

夫が協力的ではない場合の解決策

お互いに最大の理解者だと思って結婚した相手、「何も言わなくても察して欲しい」という気持ちがありますよね。ヘルプは自ら出さないと的外れになってしまいます。

協力的ではないと感じる場合、もしかして夫婦の会話が不足していませんか?

夫婦で会話はしているけれどいつも喧嘩腰になってしまう人は、会話の質に注意してみてください。相手に「何をして欲しい」と希望を言う時、自分の感情もセットで伝えてみてください。例えば「病院に一緒に来て欲しい」だけではなく、「心細いから」や「結果を聞くのが怖い」という気持ちの部分です。

夫は、妻の気持ちを知ることでそこから考えることができるでしょう。協力的ではないのは、妻の状況が把握しきれてない妻も伝えきれてないというすれ違いから起きているかもしれません。夫婦の会話をちょっと見直してみてくださいね。

不妊の悩みは不妊カウンセラーに相談


夫婦だけで会話をすると停滞してしまうことがあります。夫婦だから難しいことがありますよね。2人でやってみたけれどうまく伝わらないと感じたら不妊カウンセラーに相談するのもオススメです。

病院に常駐の臨床心理士から、不妊当事者のピア(仲間)カウンセラーまで支援の場は広がっています。第三者の介入により滞っていた空気が動きだし、たとえ60分でも濃い時間と感じるでしょう。答えを出すのはお二人です。

もちろんマンツーマンのカウンセリングでも同様に答えは相談者の中にあり、カウンセラーは適切な問いをして気持ちの整理のお手伝いいたします。冒頭に書きましたが子供が授からない悩みはあらゆることに影響します。

このストレスフルな不妊を専門家に相談することはいわば当然のことなのです。他者に相談しにくい内容であることをカウンセラーは承知しています。ひとりで悩まずに利用してくださいね。