死菌でも働く乳酸菌「フェカリス菌」とは

「腸内フローラ」という言葉が一般にも広く知れ渡ってきて、腸内フローラを整える乳酸菌に注目が集まっています。乳酸菌といえば「R-1乳酸菌」「LG21」などが有名です。ひとくちに乳酸菌と言っても、その種類は多岐にわたります。ここでは乳酸菌の中でも免疫力向上に効果があり、インフルエンザ予防効果も期待されている「フェカリス菌」について詳しく解説していきます。

フェカリス菌とは

「フェカリス菌」とは乳酸菌の一種で正式名称は「Enterococcus faecalis(エンテロコッカスフェカリス)」といいます。菌の形は球状をしていることから「球菌」とよばれる菌体で、これらは棒状の形をした乳酸菌に比べると一度にたくさん摂取することに適しています。

また、フェカリス菌の大きさは500nm(ナノメートル)程度で、これはビフィズス菌のおよそ5分の1の大きさとなっている。これらの特徴により、フェカリス菌は一度に多量の摂取をすることに向いており、それによってより効果を高めることができると考えられています。

フェカリス菌は死菌の方がより効果的

乳酸菌には、生きたまま腸まで届く「生菌」と、途中で分解される「死菌」に分類され、少し前までは生きたまま腸まで届く生菌が重要視されていましたが、近年の研究では死菌は生菌を活性化させるエサとなったり、直接腸内を刺激することで免疫力と整腸作用を高めてくれる効果があることがわかりました。

フェカリス菌は、生菌状態よりも加熱殺菌を実施して死菌状態で摂取した方が、免疫力を高める効果が3倍も上昇することが明らかとなりました。加熱殺菌を行うことで食品加工や品質保持を行いやすくなるというメリットもあるため、フェカリス菌は手軽に多量摂取を行うことができる乳酸菌として注目を集めることになったのです。

フェカリス菌の効果

フェカリス菌を摂取することで期待できる効果としては、免疫力の向上、整腸作用といった他にも下記のものがあります。

インフルエンザの予防効果

2010年の「日本乳酸菌学会」にて発表された研究によると、フェカリス菌を投与したマウスと投与しなかったマウスではインフルエンザ感染後の生存率に有意な差が見られたと言われています。更に、感染前と感染後ともに投与していた場合、あるいは感染前のみ投与していた場合、感染後のみ投与していた場合のいずれの場合にも、投与したグループの方がマウスの生存率が高かったことから、フェカリス菌にはインフルエンザの「予防効果」に期待ができると言われています。

スギ花粉症への効果

2012年医学誌「薬理と治療」に掲載された伊東園の研究結果によると、フェカリス菌入りの乳性飲料(1本200ml当たりフェカリス菌1,000億個含有)を2ヶ月間毎日飲むことによって、スギ花粉症の主な症状である「鼻をかむ回数」「目のかゆみ」に対して飲用前後で有意な差がみられたことにより、スギ花粉症に対しての改善効果があるということが分かりました。

まとめ

乳酸菌の効果を高めるには、一度に多量に摂取することと継続して摂取し続けることが重要です。フェカリス菌は菌のサイズが小さいこと、加熱殺菌を行うことで免疫力の向上が見られることから、加工しやすいため、両方の条件を満たす乳酸菌と言えるのです。

更には、インフルエンザの予防及び改善の効果と花粉症への効果が期待できるという乳酸菌ですので、冬から春にかけてはフェカリス菌を積極的に摂取するようにしてみてはいかがでしょうか。