プラセンタの成長因子(グロースファクター)とは

優秀な美容成分として注目を集めているプラセンタ。プラセンタの原料は、豚や馬、ヒトなど哺乳類の胎盤です。

胎盤は妊娠中に子宮に形成される組織で、胎児を劇的なスピードで成長させるため、たんぱく質、アミノ酸、各種ビタミン、核酸など様々な栄養が豊富に含まれています。

その中でも特に成長因子(グロースファクター)と呼ばれる成分はプラセンタでしか摂取することができず、他の美容成分との圧倒的な効果の違いを決定づけています。

今回は、プラセンタの魅力の肝ともいえる成長因子(グロースファクター)についてくわしく解説していきます。

成長因子(グロースファクター)の効果とは?

成長因子(グロースファクター)の効果をひと言でいうと「成長ホルモンの分泌を促し、細胞分裂を活発化させること」つまり、古い細胞が新しい細胞に生まれ変わるスピードを早めてくれる作用があるということです。

人間の体は細胞分裂をくり返すことで新しい細胞を作り出しています。よく耳にする“新陳代謝”とはこの生まれ変わりを指すもの。

しかし、年齢とともに成長ホルモンが減少することで、新陳代謝も徐々に衰えていきます。新陳代謝の衰えは内臓機能を低下させたり、シミやしわの原因になったりと、美容に悪影響を及ぼすことも。

プラセンタを摂取して成長因子を補えば、新陳代謝の改善によって老化現象に歯止めをかける効果があり、美容にとって欠かせない栄養素だといえます。

成長因子にはいくつかの種類があります。以下に、その代表的なものをご紹介しましょう。

上皮成長因子(EGF)

上皮成長因子は、上皮増殖因子あるいは上皮細胞成長因子とも呼ばれ、名前の通り上皮(肌の表面)の細胞の成長や増殖に重要な役割を果たします。

上皮成長因子よって、上皮の細胞の再生、活発化、機能の正常化、新陳代謝が促進されると、以下のような効果が期待できます。

  • 傷跡をきれに治す
  • ハリを与えてしわやたるみを防ぐ
  • 吹き出物などの肌トラブルの改善
  • シミを薄くする

繊維芽細胞増殖因子(FGF)

繊維芽細胞は真皮(肌の内側)にあり、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸など肌を支え水分を保持する大切な成分を作る細胞です。

これらの成分が不足すると、肌は潤いや弾力を失い、カサカサでたるんだ肌の原因に。繊維芽細胞増殖因子は繊維芽細胞を活発に増殖させるため、しわやたるみを改善して若々しい肌を取り戻させてくれます。

神経成長因子(NGF)

神経成長因子は、体中に張り巡らされた神経の細胞の増殖を促進したり、脳の老化を防いでくれます。

神経細胞が衰えると、人間の体のあらゆる機能をコントロールしている「自律神経」のバランスが乱れ、交感神経が常に優位にはたらいている状態になります。

交感神経が優位になると、心身ともに緊張状態が続きやすくなり、不眠や精神不安定といった症状を引き起こす原因になることも。

更年期障害の症状としてよく見られるイライラや不定愁訴も、ホルモンの分泌が低下することによる自律神経の乱れから起こるものだといわれています。

プラセンタに含まれる神経成長因子を摂りいれることで、自律神経のバランスを整え、精神状態を安定させることが出来ます。また、神経成長因子はアルツハイマー型認知症の治療にも効果が期待されています。

肝細胞増殖因子(HGF)

人間の臓器の中で最も大きく、健康に重要なかかわりを持つ肝臓。

肝臓には主に以下のような働きがあり、いずれも体内環境を正常に保つためには欠かせないものです。

  • 代謝(食物をエネルギーに変えて貯蔵し、必要な時に送りだす)
  • 解毒(アルコールなどの有害物質の無毒化)
  • 胆汁の生成と分泌(脂肪を消化する)

肝臓の機能が低下するとからだ全体の代謝機能も正常にいかなくなり、倦怠感や食欲の減退、体のむくみといったさまざまな不調があらわれる原因となります。

肝細胞増殖因子には肝細胞を再生、増殖させる効果があり、肝臓の機能を正常化してくれます。

コロニー形成刺激因子(CSF)とインターロイキン(IL)

コロニー形成刺激因子のはたらきは、白血球の細胞を刺激して数を増やしたり成長を促すことです。

白血球は血液の中に存在し、ウィルスなどの異物を退治する細胞のひとつ。白血球の数が増えれば免疫力が高まるといえますし、逆に足りないと免疫力が低下して病気にかかりやすくなってしまいます。

インターロイキンは白血球から分泌されるたんぱく質で、細胞同士の情報伝達をする役割を担っています。インターロイキンが存在することによって、免疫機能はより強固なものに。

つまり、プラセンタを摂取することによってからだの内側から免疫力を高めてくれる効果が期待できるのです。

インスリン様成長因子(IGF)

膵臓から分泌され、糖を分解して体内での糖の濃度を一定に保つ物質をインスリンと呼びます。インスリン様成長因子は、このインスリンと似た構造を持つ物質です。

構造は似ていても実際の作用は異なり、インスリン様成長因子はハリのある肌を保つための繊維芽細胞や関節をスムーズに動かすための軟骨細胞などを増殖させます。

肌や身体の機能の衰えが回復するアンチエイジング効果が期待できる魅力的なポイントだといえますね。また、育毛作用も期待できることがわかっており、薄毛治療にも有効活用されています。

植物性・海洋性プラセンタには成長因子は含まれない

ここまでプラセンタにとって欠かせない成長因子(グロースファクター)について解説してきました。

ここで注意したいのが、プラセンタと呼ばれる製品すべてにこの成長因子が含まれているわけではないということ。

「植物性プラセンタ」「海洋性プラセンタ」と銘打った商品も数多くありますが、これらの製品には残念ながら成長因子は含まれていません。

そもそもプラセンタ=胎盤ですよね。植物や卵から産まれる海洋生物には、胎盤そのものが存在しないというわけです。

一部、イルカやクジラなどには胎盤が存在しますが、海洋性プラセンタの原料はこれとは異なります。

  • 植物性プラセンタの原料・・・めしべの根元にある「胎座」
  • 海洋性プラセンタの原料・・・魚卵を包む「卵巣膜」

いずれも動物性プラセンタとは大きく異なり、プラセンタの最大の魅力ともいえる成長因子の効果(老化防止効果)はまったく期待できません。

プラセンタという名称にまどわされず、しっかりと作用は効果を理解しておくことが大切です。

まとめ

プラセンタに含まれる成長因子(グロースファクター)の数々には、いずれも細胞の増殖や成長を促してからだの機能や見た目を回復させるはたらきがあります。

まさに若返りの妙薬ともいえるプラセンタ。

プラセンタを摂りいれるには、以下のような方法があります。

  • 経口(サプリメントなど)
  • 肌への塗布(化粧品、塗り薬)
  • プラセンタ注射(美容点滴)

それぞれにメリットやデメリットがありますが、大切なのは自分に合ったプラセンタ製品を選択すること。

せっかくプラセンタによる美容効果に期待しているのに、成長因子が含まれない製品でアンチエイジングをねらうのは非効率的ですよね。

自分に合った製品を選び、自分のライフスタイルに合った方法で継続して摂りいれることが、美容効果を高める一番の近道だといえます。

日本胎盤医療研究会「プラセンタ療法の誤った情報に対して、 その誤解を解く」(外部サイト)

皮膚「Placenta liquid含有軟膏による2-3皮膚疾患の治験」(外部サイト)