プラセンタの種類と原材料による特徴のちがい

一口でプラセンタと言っても、その種類は様々です。サプリメントや化粧品に使用されるのは豚や馬の胎盤を原料としたものが一般的で、日本では珍しいですが羊の胎盤を原料としたものもあります。医療用のプラセンタは、人間の胎盤を原料としています。さらに、胎盤以外の原料を使用していながら「プラセンタ」と呼ばれるものもあります。それぞれのプラセンタにはどのような特徴があるのか、ご紹介していきます。

豚プラセンタ

プラセンタサプリメントの原料として最もメジャーなのが、豚の胎盤から抽出した豚プラセンタです。豚プラセンタの最大の特徴は、その安さです。豚は基本的に集団飼育されており、年に2回出産する上に多産なので大量の胎盤を手に入れやすく、市場にも多く出回るためです。そのため、豚プラセンタを使用したプラセンタ製品は消費者にとっても手の届きやすい手頃な価格で販売されています。しかし、豚プラセンタには安い分デメリットもあります。

豚は病気にかかりやすいため、予防接種などワクチンを投与される回数が多いのです。プラセンタの製造過程でそうした異物は取り除かれ人間の体に無害にはなっているはずですが、どうしても安全性への不安が拭えないという人もいるかもしれません。そんな場合は「SPF豚」の胎盤を使用した製品を選ぶのがおすすめです。SPF豚とは厳しい基準をクリアした環境で飼育された非常にクリーンな豚で、特定の病原菌を排除した状態で生まれてくるため、普通の豚よりもワクチンの投与回数が少なく安全性が高くなっているのです。

馬プラセンタ

豚プラセンタよりも高価なのが馬プラセンタです。馬は1年に1回、1頭ずつしか出産しないため胎盤の出回る量が少ないのです。しかし、馬プラセンタは豚プラセンタよりもアミノ酸の含有量自体も多い上、豚プラセンタにはない種類のアミノ酸も数種類含んでおり、より高い効果が期待できます。さらに、馬は豚と違って集団飼育ではないこと、血統がはっきりしていること、病気にかかりにくく豚よりもワクチン投与回数が少ないことなどから安全面も保証されています。より高品質なプラセンタを求める場合は、馬プラセンタがおすすめです。

羊プラセンタ

日本ではめったに見かけないのが羊プラセンタです。羊は馬と同様病気にかかりにくいためワクチン投与回数が少なく、しかも胎盤の組織構成が人間の胎盤に近いため拒絶反応が起こりにくく吸収されやすいというメリットがあります。しかし、日本では狂牛病に似た羊の伝染病のリスクを考慮して羊の胎盤を使用したプラセンタの製造を規制しているので、日本で羊プラセンタを配合した製品を作るには、ニュージーランドやスイスで生産されたものを輸入する必要があります。そのため、コストがかかって高価になり、流通量自体も少ないのが現状です。

ヒトプラセンタ

ここまではサプリメントなどに利用される動物由来のプラセンタを紹介してきましたが、医療には人間の胎盤を原料としたヒトプラセンタを使用します。医療用のプラセンタ製剤は、肝炎、肝硬変といった肝臓の病気や更年期障害などに役立てられています。また、美容外科の分野で使用されることもありますが、この場合は自由診療となり保険はききません。医療用プラセンタは厳格な管理の上で製造されていますが、まだ100%安全とは言い切れない部分もあり、たとえばプラセンタ注射はまれに痒みや発熱といったアレルギー反応が出ることがありますし、一度でも受けると感染症予防の観点からその後献血が出来なくなります。

胎盤を原料としない「プラセンタ」

プラセンタは通常哺乳類の胎盤から抽出した成分のことを指しますが、それ以外に植物性プラセンタ、海洋性プラセンタと呼ばれるものもあります。

植物性プラセンタとはその名の通り植物を原料としたプラセンタです。植物性プラセンタは当然ながら実際には胎盤ではなく植物の胎座という部分を使用しています。胎座には植物が発芽するための栄養が詰まっており、アミノ酸やビタミンによる美白や保湿効果が期待出来ます。しかしながら、動物由来のプラセンタに含まれる成長因子のような、細胞そのものを活性化させる働きはありません。

海洋性プラセンタは、鮭の卵巣膜(筋子の膜)から抽出されたコラーゲンやアミノ酸のことです。海洋性コラーゲンの特徴は、コラーゲンを支えて肌にハリや弾力を与える「エラスチン」が含まれていることです。動物由来のコラーゲンと違ってワクチンを投与されていることもないので安全性も高いと言えるでしょう。しかし、植物性コラーゲンと同じく成長因子は含まれていないため、その効果には物足りなさを感じる人もいるかもしれません。

まとめ

プラセンタにはいくつかの種類があり、一般的に使用される哺乳類の胎盤を原料とした動物性プラセンタの中でも豚、馬、羊、ヒト由来のものに分かれます。また、植物を原料とした植物性プラセンタや鮭を原料とした海洋性プラセンタもあります。それぞれのプラセンタには違った特徴やメリット、デメリットがあるため、価格や安全性、効果の高さなど何を重視するかによって選び分けるとよいでしょう。

日本胎盤臨床医学会「プラセンタは赤ちゃんからのプレゼント」(外部サイト)

日本化粧品技術者会誌「炎症に対するプラセンタエキスの効果」(外部サイト)