プラセンタの種類と原材料による特徴のちがい

“プラセンタ”というワードは美容業界で広く浸透しており、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

一口でプラセンタと言っても、その種類は様々です。一般的にサプリメントや化粧品に使用されているプラセンタは、豚や馬の胎盤を原料としていますが、日本では珍しい羊の胎盤を原料としたものや、人間の胎盤を原料とするヒトプラセンタも実際に活用されています。

また、中には胎盤以外の原料を使用していながら「プラセンタ」と呼ばれるものも。

数多くあるプラセンタ関連製品の中から自分に合ったものを選択できるよう、それぞれのプラセンタにはどのような特徴があるのかを理解しておくといいでしょう。

この記事ではプラセンタを大きく4つに分類し、それぞれの特徴についてまとめてご紹介していきます。

プラセンタの種類・原材料まとめ

プラセンタは大きく4つに分類することができます。

  1. 動物性プラセンタ
  2. ヒトプラセンタ
  3. 植物性プラセンタ
  4. 海洋性プラセンタ

このうち、サプリメントや化粧品などで最もよく使用されているのが「動物性プラセンタ」であり、豚・馬・羊の胎盤を原材料として製品化されています。

それぞれの特徴についてくわしくみていきましょう。

動物性プラセンタ①:豚プラセンタ

プラセンタサプリメントの原料として最もメジャーなのが、豚の胎盤から抽出した豚プラセンタです。

豚プラセンタの最大の特徴は、その安さ。豚は基本的に集団飼育されており、年に2回・一度の出産で10頭前後を産み落とす多産動物です。大量の胎盤が手に入りやすく市場に多く出回るため、豚プラセンタを使用したプラセンタ製品は消費者にとっても手の届きやすい手頃な価格で販売されています。

しかし、豚プラセンタには安い分デメリットもあります。

豚は病気にかかりやすいため、予防接種などワクチンを投与される回数が多くなります。プラセンタの製造過程で薬剤などの異物は取り除かれ、人間の体に無害にはなっているとはいわれるものの、どうしても安全性への不安が拭えないという人も。

豚プラセンタの安全性が気がかりな方は「SPF豚」の胎盤を使用した製品を選ぶのがおすすめです。

SPF豚とは特定の病原菌を排除した状態で生まれてくる特殊な豚を指します。日本SPF豚協会が定める厳しい基準をクリアした環境でのみ飼育が許されており、ワクチン接種回数も通常の豚よりはるかに少ないのが特徴です。

通常の豚プラセンタより価格は高くなりますが、安全性が高く安心して活用できるというメリットがあります。

動物性プラセンタ②:馬プラセンタ

豚プラセンタよりも高品質で高い美容効果が期待されるのが馬プラセンタです。馬は1年に1回、1頭ずつしか出産しないため、胎盤の出回る量が少なく価格が高くなりやすいのが特徴です。

一方で、馬プラセンタは豚プラセンタと比べ、アミノ酸をはじめとする有効成分の含有量が多いというメリットも。豚プラセンタにはない種類のアミノ酸も数種類含んでおり、より高い効果が期待できるのです。

さらに、馬は豚と違って集団飼育ではないこと、血統がはっきりしていること、病気にかかりにくく豚よりもワクチン投与回数が少ないことなどから、安全面でも豚プラセンタより優れているものがほとんど。より高品質なプラセンタを求める場合は、馬プラセンタがぴったりだといえますね。

動物性プラセンタ③:羊プラセンタ

ヨーロッパや北米を中心に人気を集めているのが羊プラセンタです。羊は馬と同様病気にかかりにくいためワクチン投与回数が少なく、胎盤の組織構成が人間の胎盤に近いために拒絶反応を起こしにくい、という大きなメリットがあります。

しかし、日本では狂牛病に似た羊の伝染病のリスクを考慮し、羊の胎盤を使用したプラセンタの製造が規制されているのが現状です。日本で羊プラセンタを配合した製品を手に入れるには、ニュージーランドやスイスで生産されたものを輸入しなければなりません。

輸入には関税や輸送費用などのコストがかかるため、どうしても羊プラセンタ製品のほとんどが高価になってしまっています。安全性とコストの両面からみて馬・豚に劣る羊プラセンタは、国内での流通には不向きというのが現状です。

ヒトプラセンタ

病気の治療などを目的とする医療用製品においては、人間の胎盤を原料としたヒトプラセンタが使用されています。

医療用のプラセンタ製剤は、肝炎、肝硬変といった肝臓の病気や更年期障害の治療などに役立てられています。美容外科の分野で使用されることもありますが、この場合は自由診療となり保険適応外となるため注意が必要です。

医療用プラセンタは厳格な管理の上で製造されていますが、残念ながらまだ100%安全とは言い切れていません。例を挙げると、ヒトプラセンタ注射にはまれに痒みや発熱といったアレルギー反応を生じさせるリスクも報告されています。

また、感染症予防の観点から、一度でもヒトプラセンタ治療を受けると、その後は献血が出来なくなるという特徴もあります。

胎盤を原料としない植物性・海洋性プラセンタ

プラセンタは通常、哺乳類の胎盤から抽出した成分のことを指しますが、これとは別に植物性プラセンタ、海洋性プラセンタと呼ばれるものも浸透しつつあります。

植物性プラセンタとはその名の通り、植物を原料としたプラセンタです。植物性プラセンタの原材料は当然ながら胎盤ではなく、植物の胎座という部分を使用しています。

胎座には植物が発芽するための栄養が詰まっており、アミノ酸やビタミンによる美白や保湿効果が期待出来ます。しかしながら、動物由来のプラセンタに含まれる成長因子のような、細胞そのものを活性化させる働きはありません。

海洋性プラセンタとは、魚卵を包みこんでいる卵巣膜(筋子の膜)から抽出されたコラーゲンやアミノ酸のこと。この卵巣膜に含まれる海洋性コラーゲンの特徴は、コラーゲンを支えて肌にハリや弾力を与える「エラスチン」が含まれていることです。

動物由来のコラーゲンと違ってワクチンを投与されたことがないので、安全性は高いといえるでしょう。しかし、植物性コラーゲンと同じく成長因子は含まれていないため、その効果には物足りなさを感じる人がいるのも事実です。

まとめ

プラセンタにはいくつかの種類があり、それぞれのプラセンタには違った特徴やメリットデメリットがあることをご紹介してきました。価格や安全性、効果の高さなど、プラセンタを利用する本人がどんなポイントを重視したいかによって製品を選び分けるとよいでしょう。

サプリメントやコスメグッズなどから手軽に摂りいれることができるプラセンタですが、美容効果は非常に高いといえます。自分に合った製品を選び、しっかりと継続して活用していくことで、からだの内側から美を生みだすことができるようになりますよ。

日本胎盤臨床医学会「プラセンタは赤ちゃんからのプレゼント」(外部サイト)

日本化粧品技術者会誌「炎症に対するプラセンタエキスの効果」(外部サイト)