プラセンタとは

最近人気の美容成分「プラセンタ」。名前はよく見聞きしますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?プラセンタとは、哺乳類の胎盤から抽出したエキスのことです。胎盤は妊娠中に子宮の中に形成される器官で、赤ちゃんは胎盤から伸びるへその緒を介して母親の体と繋がり酸素や栄養を受け取ったり老廃物を排出したりしています。

胎盤は出産後に体外に排出されますが、胎盤には赤ちゃん育てるための栄養が豊富に含まれているので、産後の体力を回復するために胎盤を食べる動物もいます。

胎盤に含まれる栄養

それでは、胎盤に含まれる様々な栄養素を具体的にいくつかご紹介しましょう。主なものとしては、たんぱく質、アミノ酸、各種ビタミン、核酸といったものがあります。

まずは人間の肉体のもとになるたんぱく質。中でも子宮内で驚異的なスピードで赤ちゃんを成長させるための「成長因子」と呼ばれる特殊なたんぱく質は、新陳代謝を活性化する働きがあります。さらに肌のハリや潤いを保つのに欠かせないコラーゲンやヒアルロン酸を増やしてくれるため、肌のくすみやごわつきを解消する美肌効果が期待できます。

次にアミノ酸。アミノ酸もまた人間の体には欠かせない栄養素の一つです。アミノ酸は体内で結合してたんぱく質を合成したり、細胞を作って新陳代謝を促したりしてくれます。ビタミン。ビタミンもまた美容や健康を保つために必要不可欠な栄養素ですが、ほとんどのビタミンは人間の体内で合成することが出来ません。そのため、複数のビタミンを効率的に補給出来るプラセンタは非常に有用性があると言えるでしょう。

最後に核酸。核酸は、たんぱく質の合成や遺伝子の生成に重要な役割を持つ栄養素で、細胞を傷つけ老化させる活性酸素を抑制したり(抗酸化作用)、新陳代謝を活発化させ、上述の他の栄養素と同様に健康と若さを保つ働きがあります。

プラセンタの種類と摂取方法

プラセンタにはいくつかの種類がありますが、代表的なものはヒト由来のヒトプラセンタ、豚由来の豚プラセンタ、馬由来の馬プラセンタです。このうち、サプリメントなどで手軽に摂ることが出来るのは豚プラセンタと馬プラセンタです。中でも最も身近なのは豚プラセンタです。豚プラセンタは豚が年に2回出産し、しかも多産であることから産出が容易なため多く出回っているので値段も手ごろです。

国内で製造されたものであれば基本的に品質は信頼出来ますが、より安全を求めたい場合は「SPF豚」と呼ばれる豚の胎盤を使用したものを選ぶとよいでしょう。SPF豚は日本SPF豚協会が定めた厳格な基準をクリアした飼育環境で育てられた豚で、特定の病原菌を持たずに生まれるため普通の豚よりもワクチンの摂取回数が少なく、非常にクリーンで安全性の高い豚なのです。馬プラセンタは豚プラセンタよりも多くのアミノ酸が含まれるなど非常に栄養価が高いですが、豚に比べて生産コストがかかるため、値段も高価になっています。ヒトプラセンタは医薬品としてしか処方出来ないため、サプリメントで摂取することは出来ません。

これらのプラセンタを摂取するには、サプリメントなどの経口摂取、肌に塗る、注射の三つの方法があります。最も効果が高いのは注射で、病院で行う必要があります。ただし後述するようにプラセンタ注射にはいくつかの注意点があります。反対に最も効果が緩やかなのは経口摂取で、中には経口摂取には効果がないとする専門家もいるようです。

プラセンタの効果とは

プラセンタの効果は、主に美容面で発揮されることが多いです。前述した通り、新陳代謝の活発化や抗酸化作用によって体や肌の若々しさを保つ働きは、多くの女性に支持されています。サプリメントやプラセンタ配合の化粧品を利用すれば手軽にその効果を感じることが出来ます。

医療用のプラセンタは肝炎や肝硬変などの肝臓病や、更年期障害、母乳の分泌不足の改善などに利用されます。医療用のプラセンタはこうした病気治療の場合は保険が適用されますが、美容目的の注射などでは自由診療となり保険は使えません。

プラセンタ利用の注意点

ここまでご紹介してきた内容だけ読むと、プラセンタは病気の治療にも美容にも役立つ万能薬のように思えるかもしれません。しかし、プラセンタ利用の歴史はまだ浅く、完全には安全性が証明されていないという考えもあります。また、実際にプラセンタを利用することで体調に思わぬ影響を与えることもあります。たとえば、プラセンタ注射は痒みや発熱などの副作用が出ることがありますし、感染症予防の観点から一度でもプラセンタ注射をしたことがあると、献血が出来なくなります。

またプラセンタを配合したサプリメントによって皮膚の炎症や薬剤性の肺炎や肝障害が起こったという報告もあります。ですから、アレルギーのある人や使用に少しでも不安のある人は、プラセンタを摂取する前に医師に相談し、もし摂取後に何らかの体調の変化を感じたら、すぐに使用をやめて病院にかかるようにしましょう。

医薬食品局血液対策課「ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用者の献血制限について」(外部サイト)

日本胎盤臨床医学会「プラセンタは赤ちゃんからのプレゼント」(外部サイト)